故障したキーボードを修理して
いま使っているキーボードが不調になったので、修理した話です。
ハードウェアエンジニアとしては、これくらい朝飯前なのですが、修理の模様を記録しながら作業したので、参考までに書いておきます。
自分が使用しているキーボードは、ロジクール社製のゲーミングキーボードG512(青軸)です。
みての通りキートップ1つ1つにバックライトが内臓されていて、コントロールプログラムでLED色を変更できたり、虹が流れるように光らせたり、徐々に全体の色が変化するように光らせたりすることができます。このキーボード1年半くらい使用したのですが最近になって、左上の数字の「1」のキーと、右上にある「←」キーが、不調になりました。
数字キーは入力されなかったり、いきなり2~3文字1が入力されたり
バックスペースは、間違った文字を消そうと押しても消えなかったので、もう一度押したら、いきなり2文字消えて消えすぎたりと、ストレスがたまりまくりです。
詳しくは言えませんが、とあるサイトのログインパスワードに、数字の1が含まれていたのですが、パスワードって入力中の文字が見えないので、入力されなかったり、複数入力されたりで、間違えまくって、サイトから締め出された事故まで発生しました。
ちなみにこのキーボードは1万円以上するので、買い替えるのも痛い出費
ロジクールに修理を依頼しようとサポートに連絡したところ、2年保証なので、新品交換してくれるという、神対応!(ロジクールさんすごい!)
ってことで、新しいキーボードが送られてきました。
壊れたキーボードはというと、「故障したキーボードはお客様側で地域の廃棄ルールにしたがって、廃棄してください」との事
まぁ、最近は捨てるのにもお金がかかるので、送料かけてまで回収しないんでしょうね
ってことで、どうせ捨てるものなら、ダメもとで治してみようって話です。
早速分解からですが、キーボードの裏表を見ても、分解のとっかかりになるようなネジ類はみあたりません。
怪しいのは、裏側のゴム足の裏側です。
さっそくめくってみます。
ビンゴ!
ネジがでてきました。
しかし他の足の下にネジはありませんでした。
結果として、裏側のネジは左右2か所だけでした。
2か所のネジを外しましたが、裏蓋が外れるわけでもなく、ケースはがっちり閉じたままです。
よく見ると、シリアル番号が張ってあるシールを上からさすってみたところ、穴のようなものが浮き出てきました。
早速剥離してみたところ・・・・
マジカ!
プラスチック成型時の金型の跡のようなもので、ネジではありませんでした。(ガックシ)
キートップ側をしげしげと見てみたところ、キートップの下に、多数のネジ発見!
キートップを外してみたところ、下の写真の赤丸部分が全部ネジ
おおすぎじゃね?
しかたないので、すべて外したとこ見事外れました。
紙コップはネジ入れに使ってます。分解できたところで、修理方針ですが、以下の様に考えました。
青軸のキーボードはメカキーなので、キー1個1個が独立しています。
また、キー内部は簡単に描くと以下の様になっています。
キーが下に押されると、オレンジ色の接点がショートする仕組み
キー入力で文字が打てたり打てなかったり、突然数文字入力されたりするのは、ほとんどの場合、この接点部分の接触不良が原因です。
したがって、キーを1度外して分解、中の接点の掃除をします。
また、接点の丸みを帯びている部分が、接点を押し返すバネになっているので、長期間の使用で、このバネの反発する力が弱っている可能性もあるので、一度外して、大目に開いておくことにします。
ただ、接点の汚れは、こすったくらいでは落ちない事もあるのと、バネの力が元に戻らない場合もあるので、今回問題の発生している、数字の1キーと、バックスペースキーを普段あまり使用しないキー(SCRLKキー,PAUSEキー)と入れ替えてみようと思います。
交換対象となるキーの半田付け部分に、さらに新しい半田を盛ります。
古い半田は酸化して合金化しているので、新しい半田を追加する事で半田が溶けやすくなります。
半田吸い取りポンプと、半田吸収線を駆使して綺麗に半田を除去します。
スイッチの足が基板のラウンドから完全に独立していることを確認します。
ピンセット等で、足をつかんで、左右に揺らしたとき、反対側の足も同じ方向に揺れていれば、両方ともラウンドから独立しています。
揺れない場合は、まだどこか半田が除去しきれていないので、完全に除去できるまで、除去作業を繰り返します。
足がラウンドから独立したのを確認できたら、半田付け箇所のすぐ下にある、丸くて黒いプラスチックをプラスドライバーで強く押せば、メカキーは外れます。
外したメカキー
可動部分が青いので、青軸と呼ばれています。
半田付けする足側からみたところ
透明部分は、こじれば外れます。
ただ中止しないと、いきなり外れて、バネがどっかに飛んでっちゃいます
接点部分
この銅色の部分が、銀入りの部分に接触して接点が通電状態になります。
接点部分をマイナスドライバーの先で、コリコリこすって磨きます。
銅の部分を外して、接点部分を引き起こし、バネを強くした状態
前の写真を真横から見たところ
バックスペースキーも同様の処置をします。
数字の1キーに、PAUSEキー、バックスペースキーにSCRLKキーを取り付け、修理したキーは、PAUSEキーとSCRLKキーに取り付け、半田付けします。
半田は、少なすぎず乗せ過ぎず、まぁ、エレガントに半田付けしていきます。
バックスペースキー
数字キー
PAUSEキー、SCRLKキー
半田付けが終わったら、外したキートップをとりつけてケースに収めて、数あるネジ止めを行えば完成です。
できました!。
1111111111
111111←←←←
動作もバッチリです。
ただ、SCRLKとPAUSEが正常化は、使わないキーなので確認していません(手抜きです)
今回は、ここまでです
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